ケータイ小説 野いちご

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【完】キミさえいれば、何もいらない。

……あ、まずい。


彼とこんなふうに二人でいたら、なんか変な誤解をされてしまいそう。


「あっ、それじゃこれ使っていいから。私は帰るね」


そう言って血の付いたハンカチを彼に手渡し、立ち上がる。


「え……」


騒がれる前にと思い、サッと背を向けそのまま歩き出した。


「おい、待って!」


すると、すぐ後ろから呼び止めるような一ノ瀬くんの声が。


何かと思い、立ち止まって振り返る。


「あのさ、下の名前、なんて言うの?」


「え?」


突然下の名前を聞かれたものだから、戸惑った。


どうして名前なんか聞いてくるんだろう。


あ、でもこの人はチャラ男で有名なくらいだから、私に限らず、女の子の名前はとりあえず覚えておきたいとか、そういうことなのかな。


だとしたら、お兄ちゃんみたいで呆れちゃうんだけど。



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