「ごめんね、和佳菜。昼休み返上させちゃって」

申し訳なさそうに手を合わせて謝る流梨花に笑顔でそんなことない、と返した。

「いいよ、別に。することなんて特にないんだし」

授業が最高につまらないあたしの暇つぶしになるから。


うん、だからいいんだよ、きっと。


なんでこうなってるかというと。


さっきまっちゃんこと松田先生に、お世話役に任命された、流梨花。

それから高岡から改めて校内の案内をしてほしいと頼まれたんだ。


でも流梨花、こんなに明るい性格なのに男の人が苦手なんだよねー。

なんでかは、知らない。

話したくないって言ったから。

無理やり話してもらってもどうせ苦しいだけだから、それ以上は聞いてない。


流梨花の親は治るようにと願って共学の高校に入れたみたいだったけど、やっぱりダメなものはダメで。

あまり関わらないようにしてたんだけど。

関わらざる終えない状況だ、これは。


だから、あたしに頼ってきたんだけど。



あたしもあたしで、お空の相手ばかりするのも飽きちゃうし、まあいっかーなんて、思ってたり。