ケータイ小説 野いちご

それでもキミが好きなんだ



「ナツから……聞いた」

「……そっか」

「でも、泣いてる理由は教えてくれなかった。
ちゃんと教えてほしい。思ってること全部言ってほしい……だって、俺、琴音の彼氏だから」


どう伝えたらいいのかわからずに思っていることをそのまま口にしただけ。

すると、琴音はゆっくりと俺の方を向いてからすぐに俺の胸元に飛び込んできた。

小さく震えている彼女を優しく包み込む。
だけど、脳裏に焼き付いているナツの泣いている姿がフラッシュバックされる。

こんなときまで俺はナツのこと……。

琴音はちゃんと俺の気持ち分かってんだよな?

告白されたときに琴音とは曖昧な関係にはしたくなくて「俺は好きな人がいる」と断ったけどそれでもいいって言ってきたのはお前だもんな。

だけど、俺だってこの約一年間、琴音との関係をテキトーに築いてきたわけじゃない。

ちゃんと大切にしてきたつもりだった。

それは俺の自己満足で、きっとたくさん琴音のことを傷つけていたに違いない。



< 190/ 310 >