それはきっと、私の中で織田くんの存在が変わってきているからだよね?

もう一度彼を見ると、また無邪気な笑顔で花火に夢中で思わず笑ってしまった。

陸人と別れてから、ずっと恋愛をできなかったのは、また誰かを好きになっても自分も相手も気持ちが変わってしまうかもしれないって恐怖心だけじゃなかったんだ。

きっと、本気で好きになれる相手と出会えていなかっただけ。その証拠に私は織田くんに自分でも驚くほどドキドキしている。

友達相手に胸が苦しくなるほどドキドキしたりしないよね?

友情と恋心。

重さの天秤に掛けたらきっと今、沈むのは恋心の方。そんな気がしてならなかった。