いつのまにか朝の連絡が、数学の授業に切り替わっていて。

数学担当の田辺先生がこちらを睨んでいた。


立っている皆の視線はこちらに向いている。


「あ……」


挨拶か、聞こえなかった。


「すみません」

クスクスと流梨花が笑っているのがわかる。


これはあとからからかわれるな、軽めのキャラをつくっておかないと。


そうおもいながら、静かに席を立った。


たちながら、転校してきたあの男の姿が頭から離れなかった。





『初めまして。俺らのプリンセス』