ケータイ小説 野いちご

冷たいキスなら許さない

ーーーそれから4年。


「灯里、お前来月から関東支社勤務な」

は?
「社長、聞き逃しました。もう一回お願いします」
気のせいかな、社長がなんか大事なことを言ったような。

「だから関東支社に行けって言ってんの」

は?
「イヤです。何で私が。転勤があるだなんて就職の時に聞いてません」

「何でもするから雇ってくれって言ったのお前だろうが」

「そんなの4年もたってるんだからもう時効でしょ」

「んなわけあるか。いいから行け。関東って言ったって東京じゃない。厚木だ」

私のチッっという舌打ちと社長がケッと吐き捨てるように言ったのは同時だった。

クスクス笑いがして私のデスクにカップが置かれる。
ほわんっと香ばしい香り。

「はいはい、お二人ともお茶をどうぞ。今日は玄米茶ですよ。でも、いつもながら大和さんと灯里さんの会話ってすごいですよね。言い合いながら仕事も進めてるんだもん」


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