「今日は親が来てて、早く出てこいってと言われちゃって」


パタパタと仰ぎながら、そう答えた。



うそ。



ほんとはあの時の人たちと会ってて、あのひとたちが早く行けとあたしを追い出したから。


あたしの家なのに、何様なんだ。


なんて言いつつ、みんなの来訪が確かに嬉しかった。

「和佳菜、一人暮らしだっけ?」


「そうなの。実家からここ遠かったからさあ」


そう、この街は実家からすごく遠い。


だから、自然と一人暮らし。


あ、それはほんとだよ。


それから少し、このみが顔を歪めて聞いた。


「いつも思うんだけど、なんで家から離れてるところに…」



来たかって?


それは……。