ケータイ小説 野いちご

早く気づけよ、好きだって。


せっかく可愛くしてもらったのに、汗をかいたら意味がない。額に浮かんだ汗をハンカチで慎重に拭いながら、なるべく日陰を選んで駅までの道を歩いた。

電車に乗っている間も、松野神社がある三つ目の駅に着くまでソワソワして落ち着かない。電車の中には浴衣姿の女の子がたくさんいて、グループで楽しそうにはしゃいでいる。

ドア付近の端っこの方に立ちながら、移りゆく外の景色を眺めていた。

三つ目の駅に着いた途端、心臓が口から飛び出しそうなほどバクバクしてきた。水野君のことを好きだと認めてから、初めての再会にドギマギする。

「はぁ、緊張するよ」

どんな顔をして会えばいいの?

普通に話せるかな。

恥ずかしすぎて目を合わせられないかもしれない。

緊張しながは電車を降りた私は、無意識に両手を胸の前でギュッと握りしめていた。

改札へ向かう人の波に乗って改札を出ると、川沿いの道を歩きながら松野神社へ向かう。

川沿いの屋台はすでに賑わっていて、食べ物のいい匂いが辺りに充満している。

お腹空いたけど、帯がきつくて食べられる気がしない。

途中知ってる人に出会わないかと思ったけど、あまりの人の多さに周りを見ている余裕はなかった。


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