ケータイ小説 野いちご

早く気づけよ、好きだって。


「実は今も、須藤君と一緒に登校したくて声をかけたんだけど。逆に気を遣わせちゃったよね」

少し残念そうな麻衣ちゃん。本当に蓮のことをよく見てるなぁ。蓮に麻衣ちゃんはもったいない気もするけど、麻衣ちゃんの恋がうまくいけばいいなぁって思う。

「全力で応援するから、私にできることがあったら遠慮なく言ってね」

「ほんと? 嬉しい! じゃあ早速ひとつだけいいかな?」

「うん、もちろんだよ」

「今月末に松野神社のお祭りがあるよね? なんとか須藤君を誘ってもらえないかな? みんなで行くっていう形にして、桃ちゃんと須藤君と私で行くのはどう?」

「麻衣ちゃん、ごめん。お祭りの日は、蓮はクラスの友達と約束してるらしいの。私も、その……ほかの人と約束してるの」

「そうなんだ、残念。松野神社のお祭りの日に、好きな人と神社を参拝しておみくじを引くと、その人と結ばれるっていうジンクスがあるんだけどなぁ」

「えー、なにそれ、知らない」

「お祭りの日だけは、夜九時までおみくじが引けるようになってて、うちの中学では有名なジンクスだったよ。みんな松野神社のお祭りだけは、好きな人と行くんだって張り切ってた。だから、夏休み明けのカップル率がすごかったんだ」

麻衣ちゃんはすごく残念そうだった。でも、蓮はクラスの人と行くって言ってたし。私も水野君と約束してしまった。

申し訳なく思って謝り続けると、麻衣ちゃんは「こっちが無理なお願いしたんだから、気にしないで」と笑顔を見せてくれた。

よかったと、ホッと胸を撫で下ろす。

そして、他愛もない話をしながら麻衣ちゃんと学校へ向かった。


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