「おい、誰がアホだ」





「とにかく!恭哉君が無事ってことも分かったし、電話切るね!それじゃまた学校で~」





私は一方的にそう告げると、恭哉君の返事も待たず電話を切った。





そして、ベッドへと転がり、携帯を手放す。





「…はーあ」





訳の分からないため息が零れる。





…ばっかみたい。


なんで私あんなこと一瞬でも本気にしたんだか。





恭哉君が私をからかって遊んでることなんて、最初っから知ってたじゃん。


…なんであんなに動揺しちゃったんだろう。





…それに、恭哉君が冗談だって言った時、胸にチクりとした痛みを感じた。





この胸の痛みはなに…?


さっきまであんなにドキドキしてた、心臓はどこに行ったの?





「ほんと、私ってばか」





それ以上の言葉は、何も出てこなかった。