『お母さんひとつ聞きたいんだけど』

リビングでプリンを食べながら私はあることを思い出して洗い物をしていたお母さんに尋ねる

「何かしら?」

『どうして4月から学校に入れてくれなかったの?』

「それは……」

「俺が反対したからだ。」

テレビを見ていたお父さんがこちらに顔を向けて言った


「愛莉は普通の学校でも楽しそうだったしな、このまま何も知らないまま普通の子と同じように過ごしても良いんじゃないかとって思ったんだ。」

そうだったんだ。

「でももし大人になって何かふとしたことがきっかけで能力(まほう)に気がついてしまった時に困ると思ってな。お母さんのお母さん方たちとも話し合った結果入学させることになった。行って損はないしな。
でも両立が大変で体調が悪くなったりしたらすぐ言うんだそ、分かったな?」


『お父さん…、ありがとう!私頑張るね!』


お父さんちゃんと私のこと考えてくれてたんだ、裏切り者なんて思ってごめんなさい。
そんなお父さんの言葉が今日は何よりも嬉しかった。