「な、泣かないでよ」



「じゃあ、付き合ってよ」



「そんなの拷問だよ」



「わかってる、わかってる……けど。仕方ないじゃん、すきなんだから」




そいつの愛は重い。



それでも、それでも。



「…あたしはあなたをすきになれない」



「彼氏がいるから?」



そうだけど、それだけじゃなくて。



「海斗があたしに1番をくれるから」



「1番?」



「そう」



世界で一番大きな優しさをくれるから。



「どんな時もあたしを支えてくれて、見守ってくれて、あたしにとっても優しいから」



「そんな海斗があたしは好きだから」



だからなの。



「あたしの好きを海斗以外の誰かにあげることは出来ないの」



「……そんな」



「ごめんね、ごめん」



櫻井くんはいつのまにか最初に学校に来た優しい顔の櫻井くんに戻っていて。


すごく安心した。








「あたしを好きになってくれて、ありがとう」