「本当に知りたい?」
ふと真顔になった中島くん。
「相沢さんが知りたいなら教えるよ。本多のプライバシーがどうなろうと俺は知ったことじゃないし」
「……いいの?」
遠慮気味に聞いてみる。
本人のいないところでこんな話をするのは悪いことをしているみたいで気は引けてしまうけれど、知りたいという好奇心には勝てず。
「教えてほしい……です」
すると中島くんはにやりと口角を上げた。
「いーよ。ただし、今から俺が話すこと聞いても、本多から逃げないって約束してほしい」
「え?……う、うん」
逃げる……って?
不安が頭をよぎるものの、今さら引き返すことはできない。
「……ほんとにあたしが聞いてもいいの?」
「相沢さんは人に言い触らしたりしなさそうだし。それに……」
流れていた髪を耳にかけた中島くん。綺麗な輪郭が露わになる。
「遅かれ早かれどうせ知ることになる。だったら早いほうがいい」
そんな言葉に曖昧にうなずいて、
あたしは次の言葉を待った。