【おまけ 理緒と真嶋の会話中継】



理緒:先生っ、この名前について姓名診断をお願いしたく存じます。


真嶋:そう言われても俺は占い師でも先生でもなく……。


…………いえ、俺にも一つだけ診断できるものがありました。田中さんの仕事についてです。

田中さんは将来的に起業しようと思っていますね?


理緒:どうしてそれを……やはり異能力ですか。


真嶋:あなたの仕事に関することならわかります。起業はいけません。高柳さんを雇用するのはさらに悪い。


理緒:ふへ?宗一郎さんを雇用だなんて大それたことは考えてないですよ??


真嶋:!!

それは素晴らしい………!あなたが賢明で助かりました。ちなみにどのような事業プランを?


理緒:子供向けのプログラミング教室を開く予定なんです。携帯のアプリとか作って、みんなが作ったアプリを公開して


真嶋:なるほど、子供に作らせたアプリで収益を得ようというんですね。


理緒:え?違………


真嶋:教育に見せかけての労働。子供の独創性を利用し、鵜飼いのように搾取する……と。

法的にグレーですがその発想は悪くないです。あなたは見かけによらず攻めた起業家のようですね。


理緒:!?


真嶋:どのように合法化できるか検討しなければ。やはり授業料の名目での徴収が良いのか………


理緒:ほぇえ


真嶋:生徒の質が収益に関わりますから、優秀な生徒を集めたいですね。できればインドあたりとコネクションが欲しい。

事業計画を見せて下さい。五ヵ年分程度の経営戦略はあるのでしょう?


理緒:(ずいぶん具体的な占いだなぁ)

メモ書きとかならありますよ。


真嶋:…………。

この『理緒と一緒にがんばりんご!』というふざけた名前は教室名ですか。


理緒:えへへ、その名前気に入ってるんです。


真嶋:月謝は5000円、平日は通い放題…………だ、と?

名前以前にあなたは経営者としての根本がなっていません。良いですか?今から言うことを頭に叩き込みなさい。

まずこの少子化時代における教育産業の在り方とは……

……なければならず、そもそも商標登録や著作権の方針はどうなってますか?後々のために特許申請も検討も


理緒:先生、お腹がすきました…………

(この先生、宗一郎さんより厳しいよぅ)


おしまい