他にも何か地元の名産を使って村興しが出来ないかと提案した。
 車の中ではその話題になった。

「川が綺麗だよね。地酒が有名なのでは?」

「そうですね。調べてみます。
 川と言えば川魚も田舎ならではだと思います。」

 彼との話し合いは次から次へアイデアが浮かんでつい時間を忘れてしまう。
 さすがだなぁと思うのは彼ならそれを実現出来ると思わせてくれること。

「新しい地酒を造って売り出そう。
 川魚は何か新しい料理にアレンジしたものがいいだろう。
 山野ブランドを作りたい。
 フォレスト工業の全面バックアップで。」

 彼の車を停めた場所から私の車までの距離は話し合いをするには短かった。

 まだ離れたくないと思うのは………。
 地元愛に、仕事愛!!

「遅くなってすまなかったね。
 気をつけて帰るんだよ。」

「お疲れ様でした。」

「あぁ。お疲れ。」

 彼の方を見ないようにして車から降りた。