私は、おじいちゃんの家の鍵を持っている


店舗兼住宅



私の部屋に荷物を投げると
すぐに掃除を開始した



何も考えたくなかった




おじいちゃんが生きていた時のように
掃除をしていく


明日にも店を開けれるほど
綺麗になると


そこにいたはずのおじいちゃんがいないことが、寂しくなった



翌日


亜樹さんが来た



「やっぱり、ここにいたのね
すごい! 綺麗に掃除してくれたわね!」



ニコニコしながら、私の隣に座る



「話してくれない?」


私は、無言を通した


「ここの電気や水道、ガス、通しておくわね」


私は、そういった契約の事が頭になかった
定時制高校に行くにもお金がいる
仕事に就けるかもわからない

私は、子供で
まだ、未成年で

結局、亜樹さんに面倒をかけるんだ



「高校… いくよ」




私が我慢すればいいんだ







亜樹さんの望むようにしよう



お金を出して貰っているのに
何、我が儘言ってるんだろう



今度は、亜樹さんが無言になった


私は、部屋から荷物をとってきて
亜樹さんと外に出た


「これ、亜樹さんが持ってて」



家の鍵を渡した