興味がないのか、それともすでに見知っている光景だから騒ぐほどの事でもないのか。

多分後者だろうと予想しながら、リリアは今更ながらセドマをじっと観察してしまう。

用心棒のような仕事をしていたため、それなりに腕が立つのだろうとは思っていた。

ただそれだけだと思っていたのに、実はジャンベル騎士団の団長の任に就いていた過去があったこと、そして王子だけでなく王様とも面識があったことにはひどく驚かされた。

しかも回廊でのやりとりから、王様ととても良好な関係だったことも見て取ることができたのだ。

リリアは王様が自分に向けた驚愕の表情を思い出し、小さくため息をついた。

この部屋へと案内をした召使いたちも、リリアを見て驚いていた。

しかし王様のそれは、様子がまた違っていたのだ。

驚いたのは髪や瞳の色に対してではないような、リリアにはそんな風に思えて仕方がなかった。

ふっとリリアは、王様とおなじような眼差しで見つめられたことがあったのを思い出す。

モルセンヌの町中、駆けゆく白馬の前に出て来ようとしていた老婆だ。