「あら、今回は制服ピッタリね」

「…」


リビングに下りてくると、お母さんの第一声。


中学の時は、身長が伸びるかと思って大きく制服を作った。


…が、3年間の間に数ミリしか伸びなかった。


だから高校の制服は、ピッタリに作った。



「早く朝ごはん食べて、入学式に行きなさい。お兄ちゃんなんか、もう行ったわよ」


「え!?」



お母さんがテーブルに、朝ごはんを並べながら言った。


「入学式の手伝いがあるんだって。真優も一緒に連れてってって言ったけど、さすがに高校生になったら妹とは登校してくれないわよね」


ズキ。


お母さんは当たり前のように言うが、私の心は少し傷ついた。



中学1年の夏、お兄ちゃんから拒絶されるまで私からは離れないと決めた。


だから、高校もお兄ちゃんと同じ高校にした。


合格するまでは言えなかったけど、合格して同じ高校だと伝えたら一瞬驚いた顔をして¨そうか…¨とだけ言った。



高校生になったお兄ちゃんとは家でもすれ違いで、前よりもさらに会話をすることが出来なくなっていた。


だから、今日からまた同じ学校に通えることが嬉しいと思っていたのにー…