ケータイ小説 野いちご

好きになった人はオオカミでした。-さくらの血契・外伝-【まとめ版・完】


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「綺麗な部屋だね」


「す、すみません、なんか全然可愛くない部屋で……」
 

正冬さんはそう言ってくれたけど、和室の私の部屋は殺風景。


女の子らしくないというか……うう、もうちょっと飾っておくんだった……。
 

私たち家族が住んでいる家は、元はお母さんとおばあちゃん、紅緒おば様が暮らしていた庵を増築したところ。


庵だった部分はそのままおばあちゃんが住んでいて、増築部分に私たち家族の部屋と、ここで修行中だったりお仕事をしている一門の人が住んでいる。


「ちーがいつも過ごしてるところに入れてもらえるだけでドキドキしてるけど?」
 

と、ちっとも動揺なんか見せないで、むしろからかうような顔で見て来る正冬さん。


こ、こういうところ心臓に悪い人だよ、ほんと。


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