ケータイ小説 野いちご

それでもキミが好きなんだ




「ほら、早く家に行こ。
じいちゃんも楽しみに待ってるから」


その言葉にコクリと一度だけ頷いて荷物の入ったキャリーケースをゴロゴロと音を立てながら引いておばあちゃんの後ろをついていく。


ピンクの花びらがひらひらと舞いながら地に落ちている様子が視界に入り、思わず足を止めていくつもの桜の木を見上げた。


この並木道……そっと目を閉じて何千回も彼と歩いたこの道のことを思い出した。







『マジ今日はついてねー』


『自転車パンクして徒歩で
通学してくるとかバカすぎ』


『仕方ねぇだろ。ハプニングだったんだから。
つーか、毎日毎日ブタみたいなお前を後ろに乗せてるからパンクしたんじゃね?』


『はぁ!?あんたが日頃から
タイヤの空気が減ってないかみてないからでしょ!人のせいにすんな!』


『そんな毎日確認なんてしてられねぇよ』




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