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帳 梨乃 side


今日は久々に部活のある日。
そして三宅先輩の最後の部活。


私たちの部は県でベスト4を獲得し、
過去最高記録となった。

功はなんとかレギュラー入りを果たし、
とっても頑張ってた。

キラキラ輝く功の背中は、とっても素敵だった。

三宅先輩も、
涙を流してとっても喜んでいた。

こっちまでつられて大泣きしたんだけどね。


私たちが付き合っている事を報告した時は、

これでもかってくらい、
とても喜んでくれる部の人たち。



早苗も新しい恋を見つけたらしく、わだかまり何一つもなく喜んでくれた。



その人はね、
西田一真くんっていう同じ部活の子なんだけど、

功よりも背が高くて早苗ととってもお似合いなんだ!


でも少し問題なのは阿久津先輩。


きっと部活内でも噂になってるから、
知ってると思うんだけど、気まずい…。


本当に好きなのかも完全に信じているわけではない。


かと言って中途半端な気がして申し訳なくなる。


部活中もよく目が合うんだけどすぐ逸らされるし、

あまり話しかけてこなくなったし、
避けられてる気もする。

よく分からない。
先輩が今何を思っているのか。


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いつもよりも早めに功を起こして、
朝の支度をする。


「んー眠い…」

「うん。梨乃も眠いよ?」

「…。梨乃…ハグ。」


功は目をこすりながら、片腕を広げた。
そしたらさ、胸がキュってなって
選択肢は一つになる。

「功…好き。」

功の胸はとっても落ち着く。
これが私だけのだと思うと、もっと愛おしくなる。


独占欲…というものかな?


「今日も頑張ってね、」

「うん。梨乃のために頑張るから、
梨乃は僕だけを見るんだよ?」


「うん!いっつも見てるのは功だけだよ?」


「ふっ…かーわい。」

すると功はぽんっと頭に手を置きそっと私の額にキスを落とす。


「こ、功?」

私を見つめる目が優しくて、
思わず顔を手で覆う。


「何?照れてんの?」

余裕たっぷりげにいう功は、
こういうのが慣れてない私にとって
意地悪にしか思えない。


「…何でもないもん!
もう早く行くよ!ぶ か つ !!!」


「…は、はい。」

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体育館に入れば、
去年から導入されてらしい
クーラーが効いていて、

「わ〜涼しいね、」

なんて功がささやく。
それがなんか可愛かった。

「あ!梨乃おはよ!」

「あ〜早苗久しぶり!
ね、あの人と進展あった?」

あの人とは、西田くんの事。


「うん!補習終わりに、デートしちゃった!」


「デ、デート!?良いなぁ、」


早苗が意外と積極的で尊敬の意。

「梨乃もするでしょ?」


「あ、たまに?かな。
お家デートの方が多いのかも。
というか、功が呑気に寝るから、デートと呼べるかも分からない…」


「ま、功くんらしいね。
じゃあさ、誘ってみなよ?」


「そ、そうだね、出来るかな?
でも…がんばってみる!」


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部活が午前中にあって、
午後からはお別れ会がある。

私のカバンには、しっかり手作りのクッキーと一人一人に書いたお手紙が入っている。


「功!お疲れ様!はいこれタオルね。」

「ん。ありがとう。」

そう言って汗を拭う功。
がんばってる姿って最高に格好いい。

そんな事を秘かに思っていることは、功には内緒だ。