ケータイ小説 野いちご


陰が案内したのは店の奥にある少し大きめの部屋であった。

机も椅子もなく、土足禁止で座布団が敷かれているだけであった。

その部屋には蜘夜、レイン、神無月が座っていた。

「なんや、全員集合やないか」

目を見開いていた蜘夜がニヤッと企むような表情をした。

「それで、全員集めてどうしたのですか?」

レインは集められたメンバーを見てハーメルン関係だと思っていた。

まぁまぁ、とレインをなだめて扇は口を開いた。

「この大会の前日のパーティーでね、ハーメルン所属の子供に会ったのだけど、」

どうやら、レインが思っていたことは的中したようだ。

「ハーメルンに集められた子供たちは年齢になったら私立流煉魔法戦闘科学園校に入学するらしいのよね。」

「そこで、ハーメルンの孤児たちの長をしている美鳳たちが話に来てな…」

燐がお酒で酔った日のことを扇と獄が一通り説明した。

それに、蜘夜、レインは苦虫を噛み潰したような表情をしていた。

言いたいことは誰も分かっていた。
だが、どうすることもできないだろう。

今の自分たちには…

「と、まぁこんな感じなったから上と相談して新しく仲間になる人たちを紹介するよ!

まず、グリムズで私と同期の人ね」

そう言うと上から誰か降りてきた。

グリムズの制服でリボンの色は白色、
赤色のマフラーをしている少女だった。

まるで、忍びのような登場に皆驚くが当の本人は気にしていなかった。

「私はウーレイ 5 紅(くれない)です。」

紅は名前どおり紅色の髪に瞳。
髪は団子にして後ろでまとめられていた。

「ウーレイ…?」

今まで聞いたコードネームとは違う名前が出てきて頭を傾げる。

今までは、サーイン、カイア、アルスの3つしか出てきてないのだから知る由もない。

「はい。ウーレイは私の生まれた地区を指します。

グリムズには5つの都市と12の地区に別れています。

その中でもサーイン、カイア、アルス、そしてユグル地区がある都市は最強と言われていますよ。

残念ながら私はその都市出身ではないので…」

紅は感情の無い口調で言った。
扇は あはは とやりにくそうだが年齢は扇と獄と同じ19歳だ。

グリムズには5つの都市と12の地区で出来ている。

グリムズのあらゆることを管理する、管理局区

エリート揃いで最強と言われる、アルペアー

聖都と言われあらゆる信者がいる、リリシー

大きな山脈があり自然豊かな、シルファー

5つの都市の中で水が綺麗なが有名な、ウル

この5つの都市からグリムズという独立した都市の集合体ができている。

そして、燐たちのコードネームであるサーイン、カイア、アルス、ユグルの地区はアルペアー

紅のコードネームであるウーレイはウルの都市にある。

「紅はローグレン魔法学院側を担当している子で、情報交換としてこっちに来てもらった。」

拍手〜 と扇が言うと燐たちは拍手を送った。
紅は一礼し、燐の隣に座った。

「お久しぶりね裏切り者。」

紅は誰にも聞こえない声でいった。
燐は目だけを紅に向けて小さく言った。

「お久しぶりです…」
「殺されるどころか協力しているなんてね」

皮肉的な言葉を口にする紅だが、燐の事情を知らない紅からすると当たり前だろうと燐は思っていた。

「…まぁ、事情があるんだろうけどね」

だが、意外にも紅はそれ以上何か言う気もないようでおとなしかった。

「さて、本題はここからだよ。

燐とアーミャは気がついているかもしれないけどね。

前に言ってた新しく仲間になる3人を紹介するよ。」

扇は どうぞ と言うと扇の後にあった扉からその3人が入ってきた。

すると、全員が驚いていた。
蜘夜、レイン、神無月は特に。

「なっなんで…」

蜘夜と神無月は言葉がでず、レインは涙目で震えながら呟いた。

「紹介するよ、君たちがよく知っている3人…

冬枯 蜘蔬さん、
風花 レインさん、
零堂 水無月さん。

初代ウルマス・サリアンたちだよ」

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