『さぁ、今年も始まりました!
     全・国・代・表・戦!

本日司会をつとめさせていただきます!
明洋北魔法高校卒業生 

河合 夏希 (かあい なつき) と……』

『同じく司会をつとめさせていただきます!
茶乃埼高校卒業生 

山本 瑠璃 (やまもと るり)です!』

『さぁ、瑠璃さん今年も始まりましたがどうですか?
昨年まで私たちは選手だったわけですが』

司会役の夏希と瑠璃は昨年までこの全国代表戦に出場していた元選手。

2人とも高校1年生から3年間出場し個人、団体で優勝もしたことある実力者。

司会と共に解説もしていく予定だ!

『そうですねぇ、
やはりまだ選手として出場したいのが本音ですが、今回は全都市が参加……

というところが各都市の実力共に気になりますね』

『はいっ!長文の感想ありがとうごさいます

それでは、今回の予定をまとめましょう
今日開催する競技は……』

夏希は予定をスラスラと読み上げていく。
それを耳の片隅で聞きながら集中している堺人は息をはく。

「……緊張する」

堺人の隣にいた燐は堺人の様子を見て言った。
堺人は燐と目を合わせて言った。

「…恥ずかしながら緊張しかしてないよ」

堺人は苦笑する。

今いる場所は剣術一刀流の控え室。
参加者、役員、監督者しか入れない控え室だが、
参加者の付き人として1人側にいることができる。

燐は堺人の付き人としてここにいるのだ。

「大丈夫だよ。堺人は強いし的確な判断ができるんだがら。」

燐は無表情のまま言う。
その言葉に頷いたのは監督者の葉杉 圭。

基本監督者は選手のクラスの担任が行うことになっており、もちろん堺人たちは圭が行うことになる。

「いや~、ここまで来るとは流石うちの子だ!」

なんて親のような言葉を言うものだから堺人と燐(はわずかに)は笑った。

「勝ち負けも大切だが、まずは楽しめ!」

圭はにっこり笑顔で堺人の肩をポンと叩く。
そこで、堺人は 楽しむ? と首を傾げる。

「そうだ!これは試合なんだから死ぬわけではない。

それに、緊張して固まってしまったらそれこそダメだ!

楽しんで余裕を持たせ!」

堺人はなるほど!と納得し はい! とはっきりとした声で言った。

それを燐は うんうん と少し微笑む。