「なんか、目立つねぇこのバッチ」

壮行会が終わり、今は教室にいた。
アーミャはポツリとそんなことを言う。

全国代表戦のために、

学院代表になれば プラチナの校章
都市代表になれば 校章と都市の籏と国の籏

のバッチを付けなければならないのだ。

そして、小隊の代表であれば学校の校章の模様の上にそれぞれランクがかかれているバッチをつける。

燐たちの場合は校章の上にEの文字。

そのため、燐たちの左胸には4つの輝くバッチがつけられているのだ。

「まぁ、しょうがないよ」

堺人もカインも苦笑い。

学院で4つのバッチをつけているのは燐たちの小隊と蜘夜たちの小隊だけで、
その他はみんな3つ。

しかも、代表に選ばれたのは高等部の生徒ばかりで中等部からの出場は燐たち6人以外いない。

校舎は中等部と高等部は違うのでなおさら目立つ。

「あっ!あの子達よね!全国出場の!」

移動教室のときに出会う先輩たちにヒソヒソとこちらを見ながら話している。

「なんとかならないかなぁー」

アーミャは、バッチを トン と触りながら呟いた。

「どうせ、明日出発だからいいじゃない」

燐はため息をつきながら 諦めな と目線を送る。

「……はーい」

その目線で分かったのだろう諦めたアーミャはそう返事した。

「次の授業終わったら、食堂に行きませんか?」

前を歩いていた紅葉が後ろをふりかえり言った。

「どうしたの?」

食堂に行くことのない燐たちは??を浮かべていた。

「ちょっとした勉強でしょうか。
他の都市代表の学校について調べてみました」

紅葉は一冊のノートを持っていた。

「おお~!いいねぇ!(流石、楓の双子ちゃん。すること同じだなぁ)」

アーミャは心のなかでそんなことを思っていた。

~・~・~・~

次の授業は燐の得意魔法でもある、闇魔法である。

「闇魔法は世界で禁止とされている魔法がほとんどだ。

理由は簡単。
人を簡単に殺せること、己を滅ぼすことになるから、

それは、大抵が犯罪を犯す者で
闇属性の魔法や武器に自身が闇に負けてしまう。」

闇魔法担当の 園止 アミラ (そのとめ)は教卓にてをつく。

学院ではNo.2の闇魔法の使い手の女性。

片目は黒い眼帯がされその上に前髪で隠している。
漆黒の地面につく手前まである髪に黄色の瞳

「ここには、闇魔法を得意とする人がいます。

そういう子は学院で禁止されている魔法もいくつか使えるようになります。」

アミラ先生は燐をチラッとみた。
初等部のときに、よくアミラ先生の所に行っていたためよく知っているのだ。

「それでは、今日は全国代表戦に行く子もいるので、1つの闇魔法をやりましょうか」

アミラは フフフ と笑った。