僕は自分と同じ年頃だった悠斗に、時々嫌気がさしたり、見ていられなかったり、もどかしかったりとなんだか腹が立ちながらも、それがどこかでいつの間にか親しみに変わっていた。


 こういう、悠斗みたいな奴が、僕は嫌いだ。

 そうはっきり言える程、僕は悠斗をじっくり見ていたと思う。


 傍にいたら、きっと面倒くさくて、すぐに喧嘩になってお互い睨み合っていた。

 悠斗も僕が傍にいたら、僕と同じような感情を抱いたはずだ。


 お互いが嫌い。


 でもそう考えた時、なんだか笑えてくるから不思議だった。

 それがおかしく思えたのは、自分たちの性格が似てるせいだと、僕は気が付いた。

 だからこそ、僕は悠斗の不器用な性格がストレートに僕の感情を乱して、自分が映る鏡を見ているようで、ひるんでしまって直視できない部分が沢山あった。


 なんで素直じゃないんだ。

 なんでそこで自分が悪い事を潔く認めないんだ。


 そう思えば思うほど、その言葉が真っ直ぐ僕自身に跳ね返ってくるのが痛くて、苦しい。

 悠斗が直面した困難も、葛藤も、僕の感情とくっついて、同じように引っ張られてしまった。