ケータイ小説 野いちご

難病が教えてくれたこと

だから、いつでも頼ってこい、李那。
【更科蒼空side END】

【如月李那side】
「お待たせ。」
「おお、おかえり。」
「…何してんだ…2人で…」
蒼空の部屋を満喫してた私と海澪。
「…これ、蒼空が描いたの?」
「あ?うん、そう。
だけど、この家にいる限りそんなのやらせてもらえない。」
私たちが見てたのはあるひとつの絵。
青空と海を描いたものだった。
地平線が美しく見える。
海の青と、青空の青が全く違って綺麗。
思わず見とれてしまってた。
蒼空のお家事情のことは知らない。
だけど、美術をやらせてもらえないことは分かった。
後、ケーキを食べたことがないって言うのも。
ちらりと見えたけど、庭の向こうにあったのは多分道場。
更科合気道道場だと思う。
蒼空が絵を書いているのは多分お母さんの影響だと思う。
だって多分あのお母さん絵描きだと思う。
近くを通った時に絵の具の匂いがした。
「道場だね。」
「え?」
「だから寄り道もあまりしないんでしょ」
「…」
「スイーツも食べたことない、初めて遊んだわ 。この2つのことを踏まえて考えると家が極道若しくは道場だから。」
私の正論に何も言えないのか蒼空は唖然としている。
…こういう人はよく見たことがある。
裕くんも、おうちが厳しい人だから。
「よし、今日は帰るよ!」
「え、あぁ。」
「そんじゃ、お邪魔しました!」
「え、李那まってよ!」
「もー…」
私は蒼空に笑いかける。
「蒼空は好きなことしてたらいいんじゃない?私、蒼空の絵、好きだよ。」
言いたいこともいうべきだと思う。
蒼空は色々遠慮しすぎなんだ。
多分私や海澪といる時の蒼空が、1番自然体なんだと思う。
「じゃあね、蒼空。」
「おう!」

「ー凄かったね〜蒼空の家。」
「だねー」
私は海澪と歩きながら蒼空の家のことを思い返していた。
「あ、じゃあ私ここだから!じゃあね!」
「ばいばーい!」

私の体を蝕む病気…その名は筋萎縮性側索硬化症。
略してALS--

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