「あ、梨乃ちゃんおはよう。」


「先輩？お、おはようございます！」


校門のところに先輩が立っていたのである。


「梨乃ちゃん、その人誰？」


先輩は隣にいる功を見る。


「幼馴染の高橋功です。今のところは。」



功は私がそう紹介する前に、先に言った。

でもその言い方は先輩を突き放すような冷たい言い方で私もなにかを感じとった。



一体……どうしちゃったの？


「へえ。なるほど幼馴染か。よろしく。あ、そうだ梨乃ちゃんいつなら会える？」


「え？会う？あー、えっとお昼は功と一緒にいつもいるのでダメです。
登下校も功と一緒だし…」



「功くんとほとんど一緒なんだね…、梨乃ちゃんって部活決まってる？

良かったらバスケ部のマネージャーしてみない？それなら、関わることも出来るでしょ？」




「マ、マネージャー？
私そういうの得意かも！いいですね。
じゃあ友達も誘ってみても良いですか？」


良いかも。いつも功のめんどう見てるし、

それに
私の心配性が役に立つ時かもしれない。


どうよ、功。

そう思い功を見てみる。


「功…？」


功は、俯いて私の目も見てくれない。
どうしてだろう。



「梨乃ちゃん本当に？じゃあ放課後部活見においでよ。良かった〜」


「はい！では放課後。」



そう言って私は功の手をひく。



「功、どうしたの？
何でそんな顔してるの？」



「…。梨乃が部活するなら、僕も梨乃と同じ部活に入る。」



「え？本当に？功が一緒なら私嬉しい！
ね、どこか悪いの？朝からなんか変だよ。」


「変？そうかな。多分梨乃のせいだよ。」


「え？私？何かしたかな？」


「うん。でも梨乃は知らなくて良いよ。あ、でもいつかは気づいて欲しい。」


「気づく？功、何言ってるの？」


「だから、知らなくて良いって。」


功は何か私に隠してるのかも。


知らなくても良いって言われてもさ、気になるもんは気になるでしょ？