見つかったら…?

いやっ!どうしようっ…っっ!

「……っっ!」

そんな私の様子に気づいたのか

新井くんは急に私の腕を掴み

公園の茂みに身を隠した。

その後すぐ……

「紗和っっ…どこだよっ!」

叫びながら走って行く勝平の姿。

やっぱり勝平…探しに来たんだ。

さっきは勢いで

いきなり部屋を飛び出してきたけど…

やっぱ戻って、ちゃんと話をしないと

ダメだよ…ね。

でも、今…勝平に会いたくない。

すごく怖い……。

勝平に捕まれた手首を押さえた。

「……先生?」

「…えっ…。」

ふと、顔を上げると新井くんが

心配そうな表情で私を見ていた。

「ご…ごめん…。」

「今のって…さっきの彼氏だよね?

あれから何があったの?

もしかして…何か酷い事された?

その服…どうしたの…?」

新井くんが私のブラウスを見ている。

私は、慌ててブラウスのボタンを

閉めようとしたがボタンがほとんど

取れてしまっていた。

……さっき…ボタンが取れたんだ…。

咄嗟に、ブラウスを手で手繰り寄せる。

「……っっ…。」

焦りと恥ずかしさで情けなくなる。

あんな事…知られたくない…。

彼は、そんな私の肩に優しく

手を置いて心配そうに黙って見つめていた。

「…あ、あの…」

私が言い澱んでいると新井くんは

自分のスエットのパーカーを脱いで

私に被せた。

「…え」

「とりあえず…これ着てなよ。」

「…でもっ…」

「大丈夫…ちゃんと洗ってあるから。」

そう冗談ぽく笑いながら私を見た。

「そうじゃなくて…新井くん…

風邪引いてるし…寒いでしょ?」

「何言ってんの…そんなの大丈夫だよ…。」