仕方ない、お迎えだ。
王子様探し。
階段をおりる。



話し声?
玄関のほうからだ、
ヤヨちゃん、たぶん
来客対応中。


そう思って玄関にいって、
あたし、目を疑ったからね。




「あ、芙祐ちゃん。お久しぶり」


だってそこにいたのは
ぺこりと頭をさげる
麻里奈ちゃん。



「あ、うん。久しぶり」



「ごめんね、邪魔しちゃって……。
じゃあやっちゃん、そういうことだから」



「ああ、はい。じゃあな」



「芙祐ちゃんごめんね、バイバイ」



手を振って出て行く
笑顔の麻里奈ちゃん。



そして、
赤い袋に金色のリボンのついた
何かを手に持っている
ヤヨ。



ちょっと待て。
ちょっと待て待て。



「何、ヤヨちゃん
クリスマスに元カノから
プレゼントもらっちゃったの?」



責めるほど、
まだそんなに怒ってないよ。


言い訳したまえ、王子。



「これは、モグに。俺じゃないから」


「モグちゃん……?」



言い訳はそうきたか。