着替え終わると私は、
バイクの後ろに乗って走った。

「あの……バイクの免許
お持ちだったんですね?」

後ろで話しかける。

意外だった。
免許とか無縁の人だと思っていたから

「あぁ、学生の頃に取った。
暇だったし、こうやって走るのは嫌いではない。
まぁ響夜からバイクは、危ないからやめろって
うるせーけど」

相変わらず心配の仕方が
お母さんっぽいな。

社長は……。
そう思うとクスッと笑えてきた。

遠くまで連れて行かれる。
むかった先は、海沿いにある墓地だった。

「ここは、誰のお墓なんですか?」

何で私をこんな所に連れて来たのだろう?

不思議に思いながら副社長について行くと
あるお墓の前に立ち止まる。

「ここに母親が眠っている」

そうボソッと話してくれた。

えぇっ!?