「大は、なんとも思わない?」


案の定、返事は返ってこない。


私は足を止める。


胸につかえた気持ちは、吐き出しぶつける場所を切実に求めていた。

だから。


「大、好き。大のことが、好き」


溜まりに溜まった想いを、藁にもすがる思いで声に出したのに。


「あ、そ」


返ってきたのは、それだけ。


大の背中しか見えなくて、表情を窺い知ることなんてできない。


私は、その方法を忘れてしまったかのように足を踏み出すことができず、ぐっと拳を握りしめて俯いた。


……ねぇ、大。

無関心がなによりつらいんだよ。


この想いは、どこにやったらいいの?


容赦なく吹きつける風が、じっと動かない私の心を芯から冷やした。