『だな。はぁー…マジ頑張ったわ』
『よくそんなこと言えるよね〜
テストがあるっていうのに
毎日迷惑電話してきてたくせに』
優しい風が私たちの髪をゆらゆらと揺らし、頬撫でる。
『迷惑電話って言うなよ!』
『はいはい〜』
『つーか、そんなとこ掴んでると落っこちんぞ』
そう言うと、私の手を自分の腰の方に回してきた。
そのせいで先ほどまでの距離は無くなり体が密着している。
な、な、何…!?
いつもはこんなことしないくせに。
鼓動が早いの気づかれてないかな?
『だ、大丈夫だってば!』
『いいからこーしてろ。
離したら、アイス奢りな』
『はぁ!?無理!』
『だったら大人しくいうこと聞いとけ』
意地悪……
でも、そうやって優しいところが好きだよ。
昔からガキ大将みたいにデカい態度で仁王立ちして最初は大嫌いで近づきたくもなかったのに田舎町は人数も少ないから話すことも増えてしまって気づいたら、誰よりも仲のいい友達になっていた。
意地悪で態度はでかいくせに
本当は心は繊細で誰より脆いんだ。