「うわぁ!
やっぱり今回も真菜が1位なんだね!


すごいなぁ。」


……そして今、昼休みに2回目のテストの順位が廊下に貼り出されていて、私と夏帆はそれを見に来ている。


夏帆の言う通り、1位だし上原に教えてもらったからいつもより点数はいいはずなんだけど……



「ギリギリだ……」



2位の須藤くんとはまさかの数点しか差がなかった。


………どうしてだろう。
絶対上原に教えてもらってなかったら負けてたよ私。


「あー、やっぱり小野田さんには勝てないか……。」
「………っ、須藤くん…!」


須藤くんのことを考えていたらいきなり須藤くんが横に現れて驚いた。


「いや、もう今回もギリギリだよ……!?
上原に教えてもらってなかったら……」


「俺が何だってー!?
何位だった俺!?」


そしたら今度は須藤くんと私の間に入るようにして上原が割り込んできた。


そして私の耳元で上原はぼそっとつぶやいた。



「お前、いらねぇこと言ってんじゃねぇよ。」



それは明らかに低く、少し脅すような声音だった。


心臓が音を立てる。
どこか怖い、と素直に思ってしまった。


………危ない。


今ここでは表の上原なんだ。


私が上原に教えてもらったなんて夏帆や周りにバレたら不自然に思われて当然だ。