ケータイ小説 野いちご

江戸のうどん屋で働き始めました



…うーん、どうもこの美形にこうやってまじまじと見られるのは無駄に緊張するな



そう思った私がサッと目をそらした時、太一くんがお茶を運んで来た。

相変わらず、雅春さんがいる時は不機嫌そうだ。



「…お前ら距離が近けぇだろ」



太一くんはそう言いながら、私と雅春さんの間に割り込むようにしてお茶を置いた。



「そうかな…うわっ」


「そんなこともないだろう?」



突然、雅春さんが私の肩に触れ、グイっと自分の方に寄せた。

私の顔を見る雅春さんの顔がすぐそこにある。



…いやいや、近いですよ?



「婚約者ならばこのくらいでも…」


「わーーー、ちょっと待った!」



雅春さんの言葉をかき消すべく、私は大声で叫んだ。

太一くんが訝しげな顔をして見てるけど気にしない。



まだ偽婚約者のことは太一くんたちに話してない。

普通に考えて、さすがに言えるはずがないではないか。


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