一瞬の静寂の後……
「嘘ー!おめでとー!」
「きゃー!まさか2人が付き合うなんて!」
「美男美女だな!」
「おめでとう!いつから好きだったんだよ!?」
クラスのみんなが口々に騒ぎ出した。
ま、待ってよ!
違うから付き合ってないから!
上原、なに勝手なこと言ってるの!?
まさかの須藤くんにメロメロだった女の子たちも笑顔でおめでとうと言われた。
なんていういい子たちなんだ……!
……ってそうじゃなくて!
なんでこんなことになったの!?
急いで私は誤解だと言おうとしたら………
突然須藤くんに、肩に手を回され引き寄せられる。
「そういうことだから、もう小野田さんには誰も手を出さないでね。」
いつもよりトーンを落としたその声に、思わず私はドキッとしてしまい………
みんな今の須藤くんの言葉でさらに騒ぎ始める。
もう今更、付き合ってないなんて言えなくなって…………
全部、全部。
この2人の思い通りになってしまったのだった。