【199kg】
「やったわ、あなた。私、やったわ‼︎」
「凄いじゃないか、寿子‼︎」
体重計の上で、私たちは喜びを分かち合っていた。
いつも夫は、私を褒め、励まし、支えてくれる。
そうすると自然と私もやる気になって、0.1g減るだけでも、夫は自分のことのように喜んでくれた。
「君が頑張ったからだよ」
「でも、まだまだこれからよね。200kgを切ったばかりだもの」
「焦らず、時間をかけて痩せるんだ」
「__そうね」
「あまり急激に痩せてしまうと、リバウンドしやすくなるし、体にも悪いから」
夫の言葉は最もだ。
私だって分かっている。
でも__もうあと【半年】しか時間がない。
あと半年で痩せないと、取り返しがつかないことになる。
私には、時間がないんだ。
もっと痩せなければ。
もっともっと。
痩せなければ。
ケータイ小説 野いちご
< 11/
22 >