一度蓋を開けてしまえば、感情は溢れ出すばかりで。止め方も分からなくなっていた。



 今の私にサナを責める資格も、陸くんを責める資格もない。



 答えがない悩みをグルグルと頭でリピートさせながら、学校へと到着した。



 靴箱で上履きに履き替えると同時に、サナと堀内くんと陸くんの靴箱も見てみる。


 既に靴箱の中に靴があるのは陸くんだけだった。


 ………堀内くんとサナ、まだ来てないんだ……


 教室に入り陸くんからの第一声が『おはよう』ではなく、


「サナ、遅いな」


とサナを心配する声だった。