「本当はさ、千衣も連れて行きたいけどなー」



「ううん、あたしはいいよ。楽しんで来てね」



嬉しいな…包み隠さず全部話してくれる。



なんだか色々スッキリとした。



「今日用事なかったら、俺から誘うつもりだった。て、今さらだけど」



てへへと笑ってるところも、なんだかかわいい。



知らなかったなー、陽向くんのこんな一面。



今までより、もっともっと好きになりそう。



付き合えてよかった…。



教室に戻るまで、自然に腕を絡めることができた。



そういう空気を作ってくれる。



あたし…すごく陽向くんのことが好き。



好き…。



歩きながら横顔をじっと見上げていると、目があった。



「見つめんなよー」



「みっ…見てないよ」



あたしのバカ…。



どうして素直になれないの?



それでも陽向くんは呆れるでもなく、歯を見せて笑っていた。