「わかんねぇ」



なんか、めんどくさそう。



ヘラっと笑って誤魔化し、逃げようとするもいきなり抱きついてきた。



「おい」



「ふふっ」



クスクスと笑って顔をすりつけてくる。



「こらこら、甘えるなよ」



「友達に聞いたの。陽向くんって女の子大好きなんだよね?」



「まあ、俺に限らずだと思うけど…って、誰がそんなこと言ってんの」



「陽向くんの友達が言ってた」



あいつ…。



「最近、彼氏にフられたの。陽向くんによく似てるんだ…それで、つい」



「俺に似てる?またそんなウソついて」



「ウソじゃないよ!見てると思い出す…ううっ、別れたくないよぉ。お願い、もう一度付き合って」



マジで泣き始めた。



「や、俺お前の彼氏じゃねーもん。ムリ」



「別れたくないのにぃ…ひっく」



胸をドンドン叩かれとんだ災難。



「痛ぇよ」



何度も俺の胸を叩きつける腕を掴み、顔を覗き込んだ。