「…そっかぁ…懐かしいなぁ…

畑野さん、元気?

先生してるんだっけ?」

「…あ、うん…女子高の先生だよ。」

「……へぇ…。」

勝平は、いつもみたいに無造作に靴を脱いで

さっさとリビングに行く。

私は、勝平が脱いだ靴をキレイに揃えた。

そして…今にも

玄関に座り込んでしまいそうな気持ちに

耐えながら靴を脱いで

キッチンの方に行ってお茶をいれようと

ケトルを手に取る。

「あっ、紗和…今日…泊まるからっ。

後さぁ、夕飯…何かある?」

勝平がリビングでスーツの上着を

脱ぎながらキッチンにいる私に

話しかける。

「…あ、うん……私も今から夕飯だから

何か作るね…カレーとかでいいかな?」

「あ、うん…何でもいいよ。」

「……うん…。」

私がケトルを火にかけようとしたした時…

ギュッ…

「…え…っ。」

後ろから勝平が私を抱きしめてきた。

「……紗和、最近…

ほったらかしててごめんな…。」