ドキン……っ。

急に、新井くんの顔が浮かんできた。

「は?何っ!?……っ。」

何してんだっ、私は……。

頭を左右にフッて無かった事にする。

「……ありえないでしょっ…。」

そう言ってソファのクッションに

顔を埋めて目を閉じた。



ピンポーン……ッ。

インターフォンのチャイムで

目が覚めた……。

気がつくと、時計の針はもうすぐ5時。

「…おもいっきり…寝ちゃってた…っ。」

私がインターフォンを覗くと…

「はい、えっっ!」

嘘……?

私が玄関を開けると、そこには

新井くんがコンビニの袋を持って

立っていた。

「…ども…。」

「…新井くんっ!」

私が玄関先でボーッと立っていたのを見て

新井くんは、少し気まずそうな顔をする。

「…あ、やっぱ…ダメだった…?」

「………あ、何て言うか…。」

私が戸惑っていると、新井くんは

私に袋を手渡した。

「じゃあ、これ…。」

そう言うと彼は、軽く会釈して

背を向けて行ってしまった。

「……新井くん。」