あたしはウインナーをお弁当箱に戻して「わかんない」と、答えた。


「せっかくあのお嬢様と仲良くなったのに?」


柚は口の中でモグモグと粗食をしながらも、器用にしゃべる。


「そうだよねぇ……」


せっかく仲良くなれたのに次の約束を取り付け忘れたとなると、途端にもったいない事をしたと思い始めてしまった。


こっちから連絡を入れてみよう。


そう思ってスカートからスマホを取り出した時だった。


丁度いいタイミングで小春ちゃんからメッセージが届いた。


「あっ」


思わず声に出して動きを止めると2人が同時にスマホを覗き込んできた。


「うわ。制服可愛い~!」


柚が目をキラキラさせてそう言った。