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『桜庭准教授的”好き”の理論《short ver.》』

そしてあの時、——ゼミ活当日、途中で抜け出していく彼女の背中を、男は追わずにはいられなかった。

その後、そんな彼女が自分の思考をこよなく愛す、ストーカーだった事を知った時、男は不思議と嫌悪感ではなく、歪んでいるとは思いつつ、愛おしさを覚えたと言う。

それから彼女を手に入れるために、男は外堀から埋めていき、徐々に攻め落としたのだと後に語った。

そんな男の隣には、スヤスヤと気持ちよさそうに眠る彼女の姿があった。


「やっと手に入れた」


好意が相手にバレないようにと隠していたのは、自分の方だと男は自嘲気味に笑う。

優しく彼女の左手をすくい上げるとその薬指に、そっと彼女のサイズに作らせた指輪をはめる。

そして愛おしそうに、彼女のこめかみにキスを落としながら男は思う。

これからは共に朝を迎えよう、と。






エピローグ fin.

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