「……叶翔さんが嫌だとかそういうんじゃなくて…ただ揉め事に発展するのが怖くて……だから…」


怒らないでほしい…。


怖いから…。


男の人が怒るのは怖いから…。


「そんなことは分かってる。心配すんな」


そう言って叶翔さんは去っていってしまった。


「はぁ…」


やっぱり…ダメだな…私。


怖いや…。


叶翔さんは優しいのに……。


設楽さんのときだってそうだ……。


優しくしてもらったのに、結局心を許すことなんてなかった。


相手の立場に経ったら、それってひどい話だよね…。


どうにかして治さなきゃ……。


治さなきゃいけないよね…。