獅龍のことはもう噂になっているみたいで、私の顔を見ると 驚いた顔をする人が多い。

私がこの二日間 学校を休んでいたのは 獅龍の姫で無くなって 学校に行きづらくなったから、とでも思われていたんだろう。

教室に嫌なくらいに突き刺さる視線。

何故か隣のクラスの透哉が私の席に座って クラスの女子と喋っている。

「ねぇ、そこ 私の席なんだけど。」

透哉の耳に私の言葉は届いていないみたい。

いや、ただ 無視されているだけなのかも。

授業内小テスト対策をしたいから、さっさと席 返して欲しいんだけど。