今の席は周りの環境も悪くないし、すごく居心地が良かった。
出来れば、また静かに過ごせる席がいいんだけどなぁ。
「近くになりたいね~」
あたしより4つ前の席に座る伊織ちゃんが、振り向いてクチパクで伝えてきた内容にうなずく。
伊織ちゃんと近くの席になったら、もっともっと学校生活が楽しくなるのに。
そんなことを考えている間に、端から順番にくじ引きがはじまった。
いい席に当たりますように……!
自分の順番が来て、祈りを込めながら、箱に入っている小さく折りたたんだ紙を一枚引く。
「美紗、何番だった?」
「ちょっと待って、いま見てみるから」
伊織ちゃんが駆け寄ってきてあたしの手元を覗く。