◆
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「椎葉と中島、どっちがいい?」
正門を抜けたところで、手を放した本多くんがそんなことを尋ねてきた。
頭はどこかぼんやりとしていて、さっき自分の身に起こったことに対して、あまり実感が持てずにいる。
今こうして本多くんと話していることすら不思議な感覚で、なんだか夢を見ているよう。
「シイバと、ナカシマ……?」
「相沢さんを家まで送らせるから」
「え? えっと……」
“ シイバ ” というのはたぶん、本多くんとよく一緒に行動している、
同じクラスの椎葉 三成くんのこと。
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「椎葉と中島、どっちがいい?」
正門を抜けたところで、手を放した本多くんがそんなことを尋ねてきた。
頭はどこかぼんやりとしていて、さっき自分の身に起こったことに対して、あまり実感が持てずにいる。
今こうして本多くんと話していることすら不思議な感覚で、なんだか夢を見ているよう。
「シイバと、ナカシマ……?」
「相沢さんを家まで送らせるから」
「え? えっと……」
“ シイバ ” というのはたぶん、本多くんとよく一緒に行動している、
同じクラスの椎葉 三成くんのこと。