30分くらい車を走らせると、お墓に到着した。


同じようにお墓参りに来ている人に軽く会釈をしながら、お父さんとお母さんの元へ向かう。


「あ、今年も……」


そこが見えてきたとき。


"予想通りのもの"を目にしてそう口にした。


「なに、どうかした?」


その言葉を拾った和希に。


「毎年ね、ここへ来ると綺麗なお花が供えられてるの」


お姉ちゃんとここへ来るのは、毎年命日と決めている。


そのときにいつも、まだ新しいお花が供えられているのだ。


ということは、命日に向けてあたしたちより先に誰かがお墓参りに来てくれていると考えられる。