何もない外を、無感情に見つめている。

青々と茂り始めた葉。

夏並みに暑くなってきたがこれでもまだ、真夏に比べるとましだろう。‥‥多分。

そもそも、窓側の一番後ろの席なんて人によっては良いとも悪いとも言える席だ。ちなみに俺は、後者である。
俺は、一人窓の外を眺めていると、

洸「おっはよー!リンちゃん!」

『‥‥‥‥』

洸「無視!?」

『‥‥‥‥』

まず、起きてる?と、バカなことを言いながら俺、
凛条 湊(りんじょう みなと)を、
リンちゃんと呼ぶ、目の前にいるバカ、
神無木 洸(かんなぎ こう)を、わざと無視する。