「ゆ、ず? 俺が分からないの?」

黒い眼鏡の奥に茶色の綺麗な瞳の中に、
焦りと大きなショックを受けた男性の目は
悲しみに満ちた目をしていた。

柚が首を縦に振るとそれは尚強くなった。


「...身体に辛いところはない?」

頷いて返事をする。

少し冷静になった男性はそっか、と言って安堵の表情へと変わった。

「少し部屋を出るけど大丈夫?すぐ戻るから」

柚は再び頷いて返事をした。

待っててねと言葉を残して男性は部屋から出ていった。
ひとり残された空間の中で視線をまわりにずらす。